心理占星術が鑑定に向いていないのでは? と疑問に思っている方はぜひ本記事をご覧ください。
僕の占星術講座に訪れる方は、過去、別の講座で心理占星術を勉強されてきた方ばかりです。
お話を聞くと多くの方が、
- 心理占星術で運命が読めない
- 心理占星術だとなんとでも言えてしまう
- 本当に運命を読む鑑定とは何かを知りたい
とおっしゃっていました。
本記事では心理占星術が鑑定に向かない3つの理由を解説していきます
心理占星術を勉強されてきた方はもちろん、本格的にプロの占い師として活動していきたいという方には特におすすめの記事です。
心理占星術が鑑定に向かない3つの理由
心理占星術の起源はユングやアラン・レオなどいろんな説があるようです。
いずれにしても、心理学と占星術を組み合わせ人の内面や性格にフィーチャーし、無自覚の自分に気づきを与え人生を変えるアプローチが心理占星術と言えそうです。
ですが、プロの占い師である自分としては、心理占星術が鑑定に向いていないと言わざるを得ません。
その理由を3つご紹介します。
①心理占星術だとホロスコープが読めない
一番の理由は心理占星術だとホロスコープが読めないということです。
僕の占星術講座では、とある事件や事故のホロスコープを生徒さんに読んでもらいます。
心理占星術出身の生徒さんの多くはその事件・事故がホロスコープでどう表現されているかがまったく読めないのです。
そもそも運命を読むとは何か? ということをここで簡単にお伝えします。
運命を読むとは、以下2点をホロスコープから読み取ることです。
- ホロスコープの持ち主である人の行動傾向
- 行動の結果の吉凶
大きな事件・事故に遭う方のホロスコープには、事故に遭う行動傾向とその結果、つまり凶の作用が明確に出ています。
その事件・事故が既にわかっている事実にも関わらず、ホロスコープから読み取れていない…。
心理占星術だろうが、現代占星術だろうが、古典占星術だろうが、ホロスコープを読み解くということに関しては同じはずです。
ですが、とてもわかりやすく事件・事故に遭いやすいとホロスコープで表現されているのに、読み取れないのは、心理占星術はアプローチが違うからということにはならないはずです。
②心理なのでなんとでも言えてしまう
人の心とは常に変化し、様変わりするものです。
例えば、「あなたは人と仲良くなりたいと思う一方、人の振る舞いによっては怒り飲まれてしまうことがありますよね?」と質問されてNoと答える方はかなり少数のはずです。
これはコールドリーディングで使われるバーナム効果です。
バーナム効果とは、誰にでも当てはまることで自分のことを言っている、当たっていると想起させる心理作用のことです。
心理占星術を用いたとて、鑑定とコールドリーディングは違います。
心理占星術出身の方のホロスコープを読んだ結果を聞くと、それって(本人は自覚がなくても)コールドリーディングですよね? というのはよくあるケースです。
人の心の有り様ははっきり言ってなんとでも言えてしまいます。
※後述しますが、その心理状態をどうやって検証するのでしょうか?
③クライアントは心理占星術を求めていない
3つめの理由は、心理占星術が本当に鑑定に求められているのか? という点です。
確かに鑑定ではカウンセリング的なアプローチが求められるケースがあります。
クライアントの方は困っているから鑑定に来られているのであって、その深い悩みや感情を傾聴することが結果、クライアントの心の回復につながるからです。
ですが、一方で実践鑑定では、以下の質問が非常に多くあります。
- ビジネスパートナーと最近仲が悪い。このまま継続して一緒にやっていくべきか?
- 事業展開を行うが、今、それが最適なタイミングか?
- 新店舗を展開する最良の吉方位を教えて欲しい
- 離婚成功のプロセスや離婚を切り出す日、離婚届を提出する最良の吉日を教えて欲しい
- (複数人候補がいて)うちの会社に最適な採用する人が誰かを教えて欲しい
- 子供にあった学校はどこか?
- 付き合っている人はストーカー気質がある。悪縁かどうかを見て欲しい
これらを心理占星術で鑑定するのは不可能なはずです。
ですが、こういった質問が来るのが実践鑑定です。
もちろん僕の鑑定でも性格の話もします。
もっと言えば、深い性格や心理状態をホロスコープから読み解くことも普段からやっています。
ですが、性格分析や心理状態を読み解くというのは主たる鑑定の目的ではありません。
また、ホロスコープを読み解き、リスクを明確にしないとクライアントの方はリスクヘッジができません。
リスクを伝えない鑑定はむしろクライアントの方の人生に対してマイナスになります。
上記の質問において、心理占星術が本当にリスクを説明できるでしょうか?
胸を張ってできる、と答える方はほとんどいないのではないでしょうか?
検証こそ占星術では一番大切
心理占星術の内容は結論、検証しづらいです。
先にも記した通り、人の心はなんとでも言えてしまうからです。
また、検証するためのホロスコープをどう集めるのでしょうか?
占星術は検証ありきの占術です。
自分のホロスコープで心理状態を検証したと言っても、自分自身のことなので尚更なんとでも言えてしまいます。
また、非常に重要なのであえて書きますが、人は嘘をつきます。
心理占星術で鑑定したとして、本当のことをクライアントの方が嘘をつかずにそのままの事実を言っているとは限らないのです。
これらを考慮すると、心理占星術の確かさを証明すること自体、かなり困難なはずです。
※だから僕の占星術講座の生徒さんには、客観的な事実である事件、事故に遭った方のホロスコープで検証しなさいと伝えています。事実だから揺るがないし、適当なことが言えないからです。
リリスが強いホロスコープで、人生うまくいく人、苦労している人の違いは?
【相性】リリス – 太陽・月の合、衝に解釈の違いについて解説します!
占星術とカウンセリング
一方、占星術とカウンセリングが相性が悪いのか、といえばそういうことはありません。
むしろ相性は良いと言えるでしょう。
理由は占星術というよりも、占い師の仕事の大きな要素の一つが傾聴だからです。
僕自身、鑑定結果を伝えるよりも、クライアントの方の心に寄り添うアプローチが必要と判断した場合、カウンセリングに切り替えることは結構あります。
※真中伸也自身、元々カウンセリングやコーチング出身の人間です。
クライアントの方の心の声を深く聴き、今、何を求めているのか、深い悩みは何か? これからどうしていきたいのかを明確にする関わりを行います。
その際に、ホロスコープとクライアントの方の想いをシンクロさせて、その方に相応しいメッセージをお伝えしています。
これが心理占星術のアプローチと言えばそうかもしれません。
ですが、どちらかと言えば、カウンセリング主体で占星術を補助的に使っているのが実情です。
占星術の弱点の一つに、中国系の占いと比較して、人生を生きる知恵(人生哲学)の思想にあまり含まれていないというのがあります。
だから心理占星術が生まれたのかもしれません。
人生を生きる知恵、人生哲学というのは、哲学、宗教、各種思想に幅広く含まれており、また発信されています。
占星術の思想を特に言葉として伝えるには、まだ開発段階というのが僕の見解です。
占星術でカウンセリング的アプローチをしたい場合は、カウンセリングの勉強と実践を積み重ねる方が効果が高いはずです。